AI時代、経理がシステムに強いという武器

りそなグループが、生成AIを全社の標準装備にしていく――そんな取り組みを伝える記事を読みました。そこで強く感じたのは、経理をはじめとする「お金にまつわる人」が、システムに詳しいことの心強さです。AI時代に、管理部門の人材に何が求められるのか。経理・財務の視点から考えてみます。

目次

「用意されたものを使う」前提が、変わる

これまで経理の仕事は、会計システムや給与計算ソフトなど、用意されたものを使いこなすことが大半でした。自分たちで仕組みを作るというより、ベンダーが提供するシステムに、業務のほうを合わせる。それが当たり前の前提だったように思います。

しかし、生成AIの時代には、この前提が大きく変わってくると感じています。AIを業務に活かすには、技術知識だけでなく、その業務プロセスへの深い理解が不可欠だからです。実際、りそなの取り組みでも、「ITだけでなく事業部門でも生成AIのスキルを高める」「金融や業務プロセスへの深い理解が求められる」という考え方が、人材育成の軸に据えられています。AIは、業務を知る人が使ってこそ、力を発揮するのです。

ミスが許されない経理だからこそ、「どこを人が検証すべきか」が分かる

特に経理や財務は、数字の正確性が厳しく求められ、ミスが許されない領域です。だからこそ、その担当者がシステムやAIの仕組みを理解していると、強みになります。

「どこを自動化でき、どこは人が必ず検証すべきか」を、的確に判断できるからです。用意されたものをただ使うのではなく、自分たちの業務に合った形でAIを組み立て、使いこなせる。そういう人材は、これからの組織で非常に貴重になると思います。AIが出した数字を鵜呑みにせず、違和感に気づける目利きと、それをシステムに落とし込む技術理解。この両方を併せ持つことが、新しい強みになります。

① 目利き(業務の理解)
AIが出した数字を鵜呑みにせず、
違和感に気づける力
ミスが許されない経理の経験から育つ
② 技術理解(仕組みの理解)
どこを自動化し、どこを人が検証するか
AIを業務に組み込める力
使うだけでなく、組み立てられる
この2つを併せ持つ人材が、AI時代の経理・財務で貴重になる

「ナイス失敗」という知の蓄積が、お金まわりでこそ活きる

元記事のテーマでもある「ナイス失敗」――失敗を許容し、そこから得た学びを組織の知として蓄えていく考え方も、まさにこの領域で活きてきます。

お金まわりの失敗は、影響が大きいものです。だからこそ、いきなり本番で大きく試すのではなく、安全な範囲で小さく試し、その経験を組織の知として蓄えていくことが重要になります。実際、AI活用の先進的な現場でも、段階的なトライアル導入で、現場のフィードバックを反映しながら少しずつ定着させる、というアプローチが取られています。小さく試し、学び、また試す。この積み重ねが、組織にしか宿らない「知」になっていきます。

失敗を許容しながら学びを積み重ねる文化と、お金とシステムの両方が分かる人材。この二つが揃った組織こそ、AI時代に強い競争力を持つのではないでしょうか。AIという道具がいかに進化しても、それを使いこなすのは、業務を知り、数字に責任を持ち、失敗から学んできた人間です。管理部門は、その最前線にいるのだと思います。

参考・出典

【PR】

※本記事は、ある記事を読んで感じたことをもとにした筆者個人の見解です。引用した取り組みの詳細は、出典元をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次